冷蔵冷凍コンプレッサーの排気温度は、一般的に潤滑油の引火点より15~30℃低く、高すぎてもいけません。冷蔵冷凍コンプレッサーの排気温度が高すぎると、油温が上昇します。油の粘度が低下し、油膜が形成されにくくなり、可動部の摩耗や発熱が増加します。潤滑油が炭化してコークス化しやすくなるため、シリンダーが荒れたり、バルブプレートが正常に機能しなくなったりします。ピストンとシリンダーが過熱し、ガス透過係数が低下し、冷蔵コンプレッサーのガス透過効率に影響を与え、運転が不経済になります。
冷蔵コンプレッサーの排気温度が高くなりすぎる一般的な理由は次のとおりです。
1) 冷却水量が不足していたり、冷蔵コンプレッサーの水温が高いと、凝縮圧力が高くなりすぎて、冷蔵コンプレッサーの排気温度も上昇します。
2) 冷媒充填量が過剰となり、凝縮器内に液が溜まり、冷却面積が減少して凝縮圧力が上昇し、冷蔵コンプレッサーの吐出温度も上昇します。
3) 排気バルブプレートまたは偽の安全カバーがしっかりと密閉されておらず、高圧および低圧の空気漏れにより排気温度が上昇します。
4) 吸入圧力が低すぎると圧縮比が上昇し、排気温度が上昇します。
5) 吸入過熱が大きいため、排気温度が上昇します。
6) 冷蔵コンプレッサのクリアランス容積が大きい場合や始動補助弁が漏れている場合は、吸入過熱が大きいことと同等であり、冷蔵コンプレッサの排気温度が上昇します。

一部の冷凍設備では、水平型コンデンサーが長期間使用されており、腐食や漏れによりアンモニア配管の一部が閉塞しています。多くの配管が閉塞しているにもかかわらず、コンデンサーは交換されておらず、冷却面積の減少と凝縮圧力の上昇を引き起こしています。冷蔵室では、圧縮機の吐出温度がそれに応じて上昇します。
つまり、冷蔵室用コンプレッサーの排気温度が高すぎる場合は、その原因を注意深く突き止め、排気温度過高の現象を排除して運用コストを削減する必要があります。
投稿日時: 2023年10月14日



