コンプレッサー排気温度が過熱する主な原因は、戻り空気温度が高い、モーターの加熱容量が大きい、圧縮比が高い、凝縮圧力が高い、冷媒の選択が不適切であるなどです。
1. 戻り空気温度
還気温度は蒸発温度に比例します。液体の逆流を防ぐため、還気配管には通常20℃の還気過熱度が必要です。還気配管の断熱が不十分な場合、過熱度は20℃をはるかに超えます。
還気温度が高くなるほど、シリンダーの吸入温度と排気温度も高くなります。還気温度が1℃上昇するごとに、排気温度も上昇します。

2. モーターの加熱
戻り空気冷却コンプレッサーの場合、冷媒蒸気はモーターキャビティを通過する際にモーターによって加熱され、シリンダー吸入温度が再び上昇します。
モーターの発熱量は出力と効率によって影響を受けますが、消費電力は排気量、容積効率、動作条件、摩擦抵抗などに密接に関係しています。
還気冷却式半密閉型コンプレッサーの場合、モーターキャビティ内の冷媒の温度上昇は15℃~45℃の範囲です。空冷式(エアークーラー)コンプレッサーでは、冷却システムが巻線を経由しないため、モーターの加熱の問題は発生しません。
3. 圧縮率が高すぎる
排気温度は圧縮比に大きく影響されます。圧縮比が高いほど排気温度は高くなります。圧縮比を下げると、吸入圧力が上昇し、排気圧力が低下するため、排気温度を大幅に下げることができます。
吸入圧力は蒸発圧力と吸入管抵抗によって決まります。蒸発温度を上げることで吸入圧力を効果的に高め、圧縮比を急速に下げ、排気温度を下げることができます。
実践では、吸入圧力を上げて排気温度を下げる方が他の方法よりも簡単で効果的であることがわかっています。
排気圧力が過剰になる主な原因は、凝縮圧力が高すぎることです。凝縮器の冷却面積不足、スケールの堆積、冷却風量または冷却水量の不足、冷却水または冷却空気の温度が高すぎることなどが、凝縮圧力の過剰につながる可能性があります。適切な凝縮面積を選択し、十分な冷却媒体流量を維持することが非常に重要です。
高温・空調用コンプレッサーは、低い圧縮比で動作するように設計されています。冷凍用途で使用されると、圧縮比が急激に上昇し、排気温度が非常に高くなるため、冷却が追いつかず過熱が発生します。したがって、コンプレッサーの許容範囲を超えて使用することは避け、最小圧縮比以下で運転してください。一部の極低温システムでは、過熱がコンプレッサーの故障の主な原因となります。
4. 膨張防止とガス混合
吸入行程が始まると、シリンダクリアランスに閉じ込められた高圧ガスは逆膨張過程を経ます。逆膨張後、ガス圧力は吸入圧力に戻り、この部分のガスを圧縮するために消費されたエネルギーは、逆膨張時に失われます。クリアランスが小さいほど、逆膨張による消費電力は小さくなり、吸入容積は大きくなるため、コンプレッサーのエネルギー効率は大幅に向上します。
膨張解除の過程で、ガスはバルブプレート、ピストントップ、シリンダートップの高温表面に接触して熱を吸収するため、膨張解除の終了時にガス温度が吸入温度まで低下することはありません。
逆膨張過程が完了すると、吸入過程が始まります。ガスがシリンダー内に入ると、一方では逆膨張ガスと混合して温度が上昇し、他方では混合ガスが壁面から熱を吸収して加熱されます。そのため、圧縮過程開始時のガス温度は吸入温度よりも高くなります。しかし、逆膨張過程と吸入過程は非常に短いため、実際の温度上昇は非常に限定的で、通常は5℃未満です。
逆膨張はシリンダークリアランスによって発生し、従来のピストン式コンプレッサーの避けられない欠点です。バルブプレートのベントホール内のガスが排出されない場合、逆膨張が発生します。
5. 圧縮温度上昇と冷媒の種類
冷媒はそれぞれ異なる熱物性を持ち、同じ圧縮プロセスを経ても排気ガス温度の上昇は異なります。したがって、冷凍温度が異なる場合は、異なる冷媒を選択する必要があります。
6. 結論と提案
圧縮機が使用範囲内で正常に動作している場合、モーター温度の上昇や排気蒸気温度の上昇などの過熱現象は発生しません。圧縮機の過熱は重要な故障信号であり、冷凍システムに重大な問題があるか、圧縮機が不適切に使用・保守されていることを示しています。
コンプレッサーの過熱の根本原因が冷凍システムにある場合、冷凍システムの設計とメンテナンスの改善によってのみ問題を解決できます。新しいコンプレッサーを交換しても、過熱の問題を根本的に解決することはできません。
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投稿日時: 2024年3月13日




